ポケカの時価総額とは? 直近売却の中央値で算出する理由
株式市場の「時価総額」という考え方をカードに持ち込むと、共通点のまったくない2枚のカードを比べられるようになります。鑑定済みが何千枚もある40ドルのカードは、数枚しかない400ドルのカードより、総額では大きな価値を持っていることがあります。このページでは、その数字をどう作っているのか、背景にある判断、そして数字が実態とズレるケースを説明します。
時価総額の定義
あるグレードのカードの時価総額は、シンプルに相場価格 × 鑑定数(POP)です。外れ値に振り回されない相場価格に、そのグレードで確認されている鑑定済みの枚数を掛けます。これを全グレード(推定できる場合は未鑑定分も)で合計すると、「このカードにどれだけの価値が眠っているか」を表す1つの数字になります。発行済み株式数×株価と同じ発想で、注意点も同じです。あくまで理論上の総額で、全部を一度に売って手に入るお金ではありません。
「直前の売却」ではなく「直近売却の中央値」を使う理由
「最後にいくらで売れたか」の1件は、基準にするには最も危うい数字です。変わった入札が1回、極端な安値の個人取引が1回、グレードの付け間違いのスラブが1枚あるだけで、相場は狂います。そこでPokéTTは、グレード内の直近売却の中央値を使います。中央値は両端の極端な値を無視するので、外れ値が1件あってもほとんど動きません。スクリーナー、ヒートマップ、ポートフォリオの評価額でも同じ値を使っているので、どの画面でも数字が食い違いません。
直前の売却が教えてくれるのは、ある1人がいくら払ったか。中央値が教えてくれるのは、市場がどう見ているか。
通貨は常に1つの基準通貨
ポケカは円、ドル、ユーロで同時に取引されています。比べられるように、すべての取引を取り込む時点で1つの基準通貨(USD)に換算して保存し、画面に出す最後の数字だけを表示通貨に変換しています。為替の変動がデータの中に紛れ込まないので、日本版と英語版のカードを同じ物差しで比べられます。
グレードは決して混ぜない
同じカードでも、PSA10と未鑑定品は別の商品で、買う人も違います。そのためグレードをまたいで平均を取ることはしません。取り込む段階ですべての取引にグレードのタグを付け、価格は必ず1つのグレード内の中央値です。基本セットのリザードンのようなカードを開くと、グレード別価格表で各グレードが別々に評価されています。この切り分けがあるから、グレードごとの時価総額に意味が出ます。
数字がミスリードするケース
取引が少ない
先月2枚しか売れていなければ、中央値は正直な数字でも壊れやすいものです。ほとんど存在しない市場を表しているにすぎません。価格の横に取引量を並べているのは、取引がごくわずかな自信ありげな価格を割り引いて見られるようにするためです。
鑑定数は「最低ライン」で、全数調査ではない
鑑定数が数えるのは、提出されて報告されたスラブだけです。押し入れの中の未鑑定品、鑑定に出されていないコレクション、報告されていないクロスオーバー鑑定は見えません。つまり鑑定数は実際の流通量より少なく出ます。時価総額は正確な貸借対照表ではなく、相対的な順位を見るための目安として使ってください。
- 時価総額=相場価格×鑑定数を、グレードごとに合算したもの。
- 価格は1つのグレード内の直近売却の中央値。外れ値ではほとんど動かない。
- 基準通貨を1つに統一しているので、日本版と英語版を同じ物差しで比べられる。
- グレードは混ぜない。鑑定数は実際の流通量より少なく出る。数字を信じる前に取引量を確認。

